プロジェクトを円滑に進めるためには、プロジェクト管理の手法に関する知識が必要です。プロジェクトには複数の人間が関わり、納期や予算など考えなければいけないことも多く、そのため、プロジェクトを適切に管理する手法にはさまざまなものがあります。本稿ではプロジェクト管理の手法として代表的なものをいくつか紹介し、活用するためのポイントを紹介します。

プロジェクト管理とは

まずはプロジェクト管理について紹介します。

プロジェクト管理の意味

プロジェクト管理とは、プロジェクトを進行させるにあたって、人・情報・時間・予算などの管理を適切に行うことです。一般的にはPM(プロジェクトマネージャー)が納期や予算など決められた要件内でプロジェクトを進め、クライアントへの納品までの管理をします。プロジェクトで決められた要件はいくつもあるため、PMによる適切な管理は欠かせません。具体的には下記のようなポイントを押さえ、計画達成のための働きかけを行います。

  1. スケジュールの管理
  2. 経費の予実管理・品質管理
  3. 人員の配置

プロジェクト管理を適切におこなうことで、経費・人員・工程を見直すことができ、無駄を削減することで利益の最大化も可能となります。

なお、PMをサポートするためにPMOがあります。PMOについては「PMOの役割とは?PMとの違いや必要となるスキルを紹介 」に詳細が記載されているので、ご参照ください。

プロジェクト管理が適切に行われないことによるリスク

プロジェクト管理が適切に行われず、納期・予算の超過や品質低下がおきると、クライアントからの信頼を失ってしまいます。最悪の場合には取引中止になる可能性もあるでしょう。

プロジェクトは複数人で行うので、ときにはプロジェクトメンバーの間でコミュニケーションがうまくいかなくなることもあります。その結果として、メンバー間のトラブルにまで発展してしまうと、チーム力が損なわれ、プロジェクトの円滑な進行の妨げとなります。

プロジェクト管理の手法やキーワードを紹介

プロジェクト管理の手法や頻出するキーワードにはさまざまなものがあります。その中でも代表的なものをいくつか紹介しましょう。

PMBOK

PMBOKはProject Management Body Of Knowledgeの略称です。Project Management Institute(アメリカに本部)が作成したもので、プロジェクト管理における世界標準とされています。プロジェクト管理手法関連知識について体系的にまとめたもので、4年ごとに改定されています。PMBOKを学ぶことで、プロジェクト管理における基礎知識を網羅的に身につけることが可能です。

なお、20年以上活用され続けているPMBOKですが、2021年に第6版から第7版に改定された際に内容が大きく変更されました。誤って第6版を見てしまうと、最新の第7版に沿うことなくPMBOKを学んでしまいます。利用する際には見ているPMBOKが第何版かしっかり確認した上で使いましょう。PMBOKについては、「PMBOKとは?最新第7版と第6版との違いも紹介」で、改定内容を含め詳細を説明しているのでご参照ください。

CCPM

CCPMはCritical Chain Project Managementの略称です。プロジェクト内における各作業の納期を極力短く設定することで、プロジェクト全体で余裕を持たせる手法です。余裕があることで、問題発生時にも対処するだけの時間を確保しておくことができます。

また、メンバーの心理的問題を排除することにもつながります。人は時間に余裕があると、作業着手を遅くしようとする心理が働くことがあります。CCPMでは納期を短くすることで、このような心理にならないよう働きかけるのです。

WBS

WBSはWork Breakdown Structureの略称です。プロジェクトにおける必要作業を分解したのち、構造化します。作業の最小単位はワークパッケージと称し、スケジュール構築はこのワークパッケージを組み合わせることで行い、各ワークパッケージに作業担当者を割り振ります。ワークパッケージとして分解することで、作業量・内容が見やすくなり、工数見積もりや各担当者の作業範囲を共有しやすくなります。個人では気づきにくいような問題も、メンバー間で確認することで早い段階で発見できるでしょう。

PERT

PERTはProgram Evaluation and Review Techniqueの略称です。プロジェクト内作業の処理順序を図示することで、プロジェクト全体を把握する手法です。作業同士の関係が複雑なプロジェクトに向いており、PERTアクティビティネットワーク(各作業の関係を矢印で結んだ図)というもので示されます。

ウォーターフォール

要件にもとづきプロジェクトをフェーズ毎に分割し、時系列に沿って終わらせていく手法で、プロジェクト要件が具体的になっている長期間プロジェクトに適しています。進捗管理がしやすいですが、上流に位置するフェーズが終わらない限り、そこから下流のフェーズを始めることができません。また、フェーズを下流から上流へ戻ることもできないため、戻る工程が発生した場合は最上流のフェーズから全てやりなおすことになります。フェーズの変更が行いにくく、トラブルや突然の仕様変更に対応しづらいという面があることは否めません。

アジャイル

作業をいくつかのステージ毎に切り分け、それぞれをレビューすることでプロジェクト全体をスピーディーに進める手法です。切り分けは1週間から4週間単位で行われ、イテレーションと称されています。それぞれのイテレーションにおいて目標・計画を設定します。短い期間ごとに分割した作業をそれぞれレビューすることから、こまめなフィードバックを得ることができ、プロジェクト途中での変更にも対応することが可能です。

近年、アジャイルはウォーターフォールに代わるものとして注目を集めている方法でもあります。IT技術が発展し、顧客ニーズも変遷してきたことで、環境の変化は激しくなってきています。そのため、プロジェクト進行途中での変更は珍しいものではなくなり、途中での変更が難しいウォーターフォールは使いづらくなってきました。そこで、プロジェクト途中での変更にも対応しやすいアジャイルが人気を集めているのです。しかし、アジャイルにも、プロジェクト全体を把握しづらくなるという欠点があるので、注意は必要です。

プロジェクト管理手法の活用ポイント

最後にプロジェクト管理手法を活用するには、どのようなポイントがあるか紹介します。

ツールの導入

プロジェクト管理はさまざまな企業で行われていることから、プロジェクト管理を効率よく行えるツールには高いニーズがあります。そのため、さまざまなツールが提供されているので、進行中のプロジェクトに見合ったツールを導入しましょう。代表的な機能としては、下記のようなものがあります。

  1. 進捗管理表
  2. ガントチャート
  3. 課題管理
  4. コスト管理
  5. 要員管理
  6. ソースコード管理
  7. ファイルの共有
  8. メール・チャットなどのコミュニケーション機能

ツールによりプロジェクトメンバー間の進捗状況が共有しやすくなることで、状況の把握不足による連携ミスといった失敗や遅延を防ぐことか可能です。Excelでも進捗管理表やガントチャートなど一部機能の実現は可能です。しかし、ファイルの共有やプロジェクト途中での変更に対応しづらく、ツールよりも使い勝手は悪いでしょう。

ここで紹介した機能のほかにも、ツールによっては日報・品質の管理などツール特有の機能を持ったものが多くあります。多機能であるほど予算も高くなるので、無駄に多機能なツールを導入する必要はありませんが、必要なものは積極的に導入を検討しましょう。

チームの信頼関係を築く

プロジェクト管理において、PMが適切にプロジェクトを管理することが重要です。しかし、それだけではなく、プロジェクトメンバーからの協力も欠かせません。ツールを導入し、プロジェクト体制を整え、情報共有ができる環境を整えたとしても、メンバーからの情報提供がなければ成り立ちません。そのため、プロジェクト管理においてプロジェクトメンバー間の信頼関係は要といえます。プロジェクトメンバーに持ってもらう意識として下記のようなものがあるので、これらに留意しながらプロジェクト管理を行いましょう。

  1. チーム内の雰囲気をよくしようという意識
  2. プロジェクトチームを自分が引っ張るという意識
  3. 自分だけでなくチーム全体として成長しようという意識

また、プロジェクトメンバーの性格はさまざまで、向いている仕事は異なります。PMはメンバーの性格を把握し、適材適所にタスクを割り当てるよう心がけましょう。

プロジェクトに合わせた管理手法を活用しましょう

本稿で紹介した手法のほかにもプロジェクト管理にはさまざまな手法があり、各手法でふさわしいプロジェクト内容は異なります。現在進めているプロジェクトの内容を考慮し、適したプロジェクト管理手法を選ぶようにするとよいでしょう。また、プロジェクトを円滑に管理するためには、プロジェクトのリアルな状況や課題、メンバーの本音を把握することが重要です。

プロジェクトの現状把握には、「PJ Insight」の活用がおすすめです。

PJ Insightは、毎週1回、メンバーに対して、プロジェクトの品質、納期、コストやコミュニケーションなどの項目について、5段階評価で回答するアンケートを実施します。その収集結果を時系列データにして、プロジェクトの状況や炎上の兆候を可視化します。

メンバーが明確な炎上の兆候をプロジェクトマネージャーやPMに伝えられない場合でも、データの推移からプロジェクトが低迷傾向にあるなど察知することが可能です。

データから炎上の兆候が見られた場合は、1on1などでメンバーからヒアリングを行い、炎上リスクに対し、早期にアクションを起こすことができます。

また、PMOはプロジェクトマネージャーの報告だけでなく、現場のリアルな声も把握することができ、適切な支援を行うことが可能です。

PJ Insightは、アンケート、プロジェクトの現状把握、炎上リスクの早期解決のサイクルを繰り返し、プロジェクトの状況を継続的に改善する、プロジェクトのヘルスチェックツールです。

無料で使えるフリープランをご用意していますので、ぜひこの機会にPJ Insightの導入をご検討ください。